韓国に自家用車を一時輸出する方法 2023 ver.

KeijiroToyoda
Aug 12, 2023

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こんにちは、@toyojuniです。2023年の7月1日〜5日の滞在期間でマイカーのFC3S(1988年式, 前期型)を韓国に持ち込んでドライブを楽しんできました。前回はソウルのドライブ名所の記事を書きましたが、今回は韓国にマイカーを持ち込む手続きに関してまとめたいと思います。

前回記事:

実は、一時輸出といった体裁で比較的簡単に、日本のナンバープレートのままドライブを楽しむことができるんです。

自分が持ち込むにあたっても先人の記事に助けられたので、還元していきます 💪

さて、出オチ感がありますが、自分が持ち込むにあたって参考にした記事は以下の1記事と関釜フェリー(下関〜釜山を運航するフェリー)の公式サイトだけでした。2023年7月現在においても基本的には以下のページを参考にすれば差し支えはないはずです。

ですが、後述の通り車検証周りで若干差分もありますし、旅行記の方は2017年ということで近年の情報が書かれていないと不安になる人もいると思いますので、改めて自分なりにまとめてみたいと思います。

必要なもの

基本的には関釜フェリーの公式サイトを参照してくださいという感じですが、以下の通りです。

関釜フェリー公式サイトに記載のあるもの

  • 自動車運転免許証(日本国内免許書および国際免許証)
  • 車検証または軽自動車届出済証
  • 登録証書(取得日から韓国入国日までが、3ケ月以内のものに限る)
  • 車両航送申込書
  • 韓国滞在住所・電話番号

関釜フェリー公式サイトに記載のないもの

  • パスポート
  • 自動車検査証記録事項(車検証が新形式の場合のみ)
  • 20万ウォン(2万円)程度の現金ウォン
  • ビザやK-ETA、ワクチン接種証明書等(2023年7月時点は不要)

全てに解説が必要なものでもないと思うので、かいつまんで解説していきます。

登録証書

一番の曲者です。こいつのせいで何回も練馬に行く羽目になりました。

まず登録証書が何かというと「海外に車を持ち出すために必要な書類」です。この書類によって全ての国に対処できるわけではないようですが、大韓民国はもちろんその対象なので安心してください。

この書類の取得にあたって幾つかの罠があるので、皆さんも気をつけてください。この文章を読むことにより陸運局への不毛な往復をする不幸な人が一人でも減ればと思います。

罠1: 「登録事項証明書」とは別の書類

まず、登録書書が必要であることを知った自分は「登録証書 陸運局」でググり、一番上に表示される以下のページに辿り着きます。

http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/car_regist_shoumei.htm

「登録事項証明書」と少し名前が違いますが、「登録証書」はその略称なんだなと解釈してしまうのは想像に難くないでしょう… しかし、別の書類なのです。

登録事項証明書を発行できればいいと思い、ホームページに書かれている必要書類を準備して意気揚々と練馬の陸運局に向かった自分は

  • そもそも別の書類であること
  • 必要書類が足りていないこと

を告げられ引き返すことになります…。

なお、登録証書は海外に車を運ぶための書類なので、レジェンド級にレアな書類です(多分)。窓口で登録証書をくださいといっても怪訝な顔をされ、担当者の方が戸棚の奥から古めかしいマニュアルを引っ張り出してきてなんとか手続きが進行する始末です。

罠2: パスポート発行が先に必要

皆さん、パスポート失効していませんか?僕は失効していました。

上述の通り必要書類が足りていないことを告げられた僕ですが、なんと登録証書の発行には申請時点でパスポートが必要であることをそこで知ります。パスポート発行は登録証書のような車の手続きの後に進めようと思っていたので、完全に計画が狂い、焦りました。日程に余裕を持って準備を始めておいてよかったです…

なお、登録証書の申請に必要な書類は以下の通りです。

  • パスポート
  • 車検証
  • 自賠責
  • 申請書(これは陸運局でもらえます)

罠3: 引っ越した場合、車検証の住所変更も必要

さて、罠2に引っかかった自分はパスポートを発行し、再度練馬に向かいます。しかしまたしても申請に失敗します。

自分は横浜から東京に引っ越していたのですが、車庫証明の更新及び車検証の住所変更を失念していたのです。登録証書の申請の前に住所の更新が必要だと言われてしまいます。

まあこれは100%自分が悪いです。が、忘れてしまいがちな部分だと思うので引越しをした方はご注意を… 最寄りの警察署で車庫証明を新しく申請・発行し(数営業日かかります)、再び練馬に向かいました。

温情の措置かわからないですが、3回目の練馬で車検証の住所更新と登録証書の発行を同じ日にやってくれました。通常、登録証書の発行も数営業日を要するらしいのでお気をつけください。

中指立ててません

なお、僕は引っ越しは1回でしたが、2回以上だとより面倒になってくるようです。

こうして、伝説の書類登録証書を手に入れたのでした。

自動車検査証記録事項

「車検証がハガキサイズの新形式である」という条件下でのみこの書類が必要になります。

実は新形式の車検証には車検の有効期限が書かれていません。そのため、別の手段で車検の有効期限を証明してくれと関釜フェリーに要求されます(というより、最終的に韓国の税関で要求されるので、フェリーは親切で教えてくれるのです)。

自動車検査証記録事項とは以下の目的で配布されている紙です。まさに今回のような用途ですね。

「自動車検査証記録事項」は、車検証のように車両運行時に自動車に備え付ける義務はありませんが、電子車検証のICタグに記録され、券面で確認できない事項を容易に確認できるよう、電子車検証の交付時に補助的にお渡ししているものです。

自分は住所変更の際に新たな車検証を受け取ったばかりなのでこちらの紙を無くさずに持っていましたが、無くしてしまったという方は再発行に関して陸運局に聞いてみましょう。

20万ウォン(2万円) +α 程度の現金ウォン

釜山の税関で韓国の自賠責のような保険のためのお金を払う必要があるのですが、この時に現金のウォンが必要です。かつ、この手続きの時点で釜山港ターミナルの両替所の前を通ることはありません。事前に日本で両替しておきましょう。

手元のレシートを見る限り、釜山の税関では合計で20万6千ウォンを支払いました。これは変動しうる金額だったと思うので、ピッタリで用意することはお勧めしません。30万ウォンあればまあ大丈夫ではないでしょうか。

入国後も高速道路やガソリンスタンドで日本のクレジットカードが拒否されることがあるので、より多めに現金を持っておくと良いでしょう(が、この税関での費用以外は入国後に両替をする形でもいいでしょう)。

ビザやK-ETA等

2023年7月ではコロナ関連の規制も全て無くなりビザ系は完全に不要でしたが、変わりうるものだと思うので最新情報を確認してください。

渡航方法

必要な書類がそろえばあとは関釜フェリーを予約するだけです。

ホームページの案内に従ってまずは電話で予約し、そのあとはメールで書類のやり取りです。ひとまず予約だけしてしまって、書類は揃ってから送る形でも大丈夫でした。

手続きがあるので、乗船当日は15時ごろに下関港に着いているようにしましょう。今回、個人で車両を持ち込むのは四輪は自分だけで、二輪は韓国人が3人でした。

乗船を待つFCと韓国人のバイカー達。

21時ごろには出港して、翌朝8時には釜山港に到着しています。税関の手続きが完了して自由に動ける状態になったのは9時ごろでした。

入国完了時の写真。税関のお兄ちゃんが撮ってくれました、優しい。

おまけ: 下関へのアクセス

自分は東京から下関までの移動方法は東京九州フェリーを使いました。横須賀から新門司までをおよそ21時間かけて運航します。なお、新門司から下関までは高速道路を使って30分程度です。

東京から下関まで走ってもよかったのですが、旧車が韓国でトラブルを起こすとそれこそ詰みなので安全策を取りました。韓国の旧車文化は日本と比較すると「無い」と言っても過言では無いレベルなので、旧車の修理やメンテナンスのハードルは高いと考えた方が良いです。

というわけで、How to 一時輸出でした。みなさんも国際交流を楽しんでください!

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Written by KeijiroToyoda

デザインに多少詳しくて、サイバーセキュリティの仕事をしています

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