ロゴデザインにおけるアスペクト比の小話

KeijiroToyoda
Feb 7, 2024

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こんにちは、Flatt Security CCO(真ん中のCはCreative)の @toyojuni です。昨年夏、自社サービス「Shisho Cloud(シショウ クラウド)」のロゴを、正式リリースに合わせてデザインしました。

ロゴマークのコンセプトは「背中を預けられる存在」のキリッとしたパンダです。

上図がロゴのデフォルトパターンですが、横長と縦長のパターンも用意してあります。

その理由は至ってシンプルで「ロゴの掲出先によって最適なアスペクト比は異なるので、複数パターンのアスペクト比のロゴを用意したかった」というだけです。例えば、横長ver. はLPのヘッダーに使われていますし、縦長ver. はノベルティのTシャツの背中にロゴを配置する際に活躍してくれました。

とはいえ、インターフェイスが多様化する現代においてこのように複数パターンのロゴを用意すること自体は珍しくないですし、記事にしてシェアするほどの話でもありません。本題に入りたいと思います。

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デザイン時、想定されそうなロゴの掲出先を踏まえつつ作業を進めていました。その中で、弊社は基本的に技術者向けのサービスを提供しているということもあり「(技術カンファレンス等)イベントへの協賛に伴うスポンサーロゴ掲示」は真っ先に思い浮かぶ掲出先の一つでした。

イベントのホームページにはまず掲載されますし、当日会場で大判印刷されたものが掲示されることも少なくありません。

ここで注目すべき点として、最上段に大きく表示されるロゴ枠が500万円、次の段に比較的小さく表示されるロゴが250万円みたいな金額の序列があるわけですね。

(もちろん、スポンサーセッションが可能とか、ブースの大きさが違うとか複合的な要素で金額は決まってくるのでこの枠があの枠の2倍の値段!みたいな言い方はちょっと詭弁なんですが)

かつ、こうしたロゴ掲載枠のアスペクト比は固定されていますし、視覚調整などなくその枠にロゴが機械的に流し込まれるだけの場合がほとんどだと思います。

そこで、過去に何かしらのイベントで感じた違和感を思い出しました。

「あ〜この会社最上位スポンサーなのにめっちゃロゴが横長だから視認性低くて勿体無いな〜」

同じ金額を払っていてもアスペクト比のせいだけで同ランクのスポンサーより大幅に小さく表示されてしまうことがあり得るし、なんなら金額が半分のスポンサーに対して、ロゴの専有面積だったり、ロゴタイプのフォントサイズで負けてしまうなんてことがあり得るわけなんです。

もちろん、数値は相対的な比較のための意味しか持ちません

ブランディングの一丁目一番地は名称を一人でも多くの人に認知してもらうことだと思うので、ロゴタイプのフォントサイズが下がってしまうのは、なかなかに大きな課題だと自分は考えます。

(「一丁目一番地は名称を一人でも多くの人に認知してもらうこと〜」のくだりは書籍『実務家ブランド論』に影響を受けました。)

いや冷静になるとめっちゃ当たり前に大事な話ですけど、「名称がいかにデカく表示されるか」って意外とデザイン時に意識しないポイントだと思うんですよね。

特に、ロゴデザインって社名/サービス名は所与のものとして与えられ、ロゴデザイン段階でそこをひっくり返すケースは基本的にないと思うので、「まあ名称がそもそも長いならロゴが横に長いのもしょうがねえか」って思ってしまいがちというか。

(ひっくり返すことがあるとしたら名称を含めてBIデザインを依頼されてるケースでしょうか)

ともかく、仮にも自分は経営陣としてマーケ全体の予算も考えますし、協賛イベントごとのコストパフォーマンスも意識しなければいけない立場なので、このトピックはあくまでロゴデザイン全体から見ると小さな部分要素ですがあんまりバカにしたものじゃないな、と思いました。

まとめると、複数のアスペクト比のパターンのロゴを用意するのはインターフェイスが多様化する現代において珍しくもないですが、そのバックグラウンドにこういったコスパベースの考え方があってもいいんじゃない?という小話でした。

もちろん、サービス/会社の特性によっては今回紹介したような掲出先は想定されないパターンもあるでしょうし、その場合は気にしなくても良いと思います(ただ、採用広報目的でのイベント協賛はかなり多くのWeb系企業に当てはまりそうです)。ロゴを表象としてオーディエンスの中に蓄積されるブランドイメージは統一されてる方が良いですから、可能なら複数パターンのロゴは作りたくないでしょうし。

より一般化された結論を書くなら「ロゴの掲出先やオーディエンスのことも考えて、ロゴが与える効果を最大化するようなデザインを心がけよう」といった感じでしょうか。

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こんな小話に募集をぶら下げるのもなんだかなという感じですが…

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Written by KeijiroToyoda

デザインに多少詳しくて、サイバーセキュリティの仕事をしています

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